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ハツカネズミと人間(OF MICE AND MEN)小説のあらすじと感想【スタインベック】

ハツカネズミと人間

外国の小説はあまり読んだことないんですよね。
どうしても日本と外国では、文化や空気感の違いによる読みにくさが伴うからです。

翻訳の良し悪しも関係してるかもしれませんが。

ドストエフスキーの罪と罰は読むのを挫折しましたね。かなり読みやすくかみ砕かれている本もありますし、実は漫画もあるので興味のある方はどうぞ。

谷口有威
谷口有威
この漫画は原作と設定は違えど、作者の意図して伝えたい趣旨は変わらないのでおすすめです

そんな名作が世界にはたくさんあるので、たまには外国小説を手に取ろうと意識しています。
ということで、カリフォルニア州のスタインベック著のハツカネズミと人間を読んだ感想を書いていきます。

うすっぺらいのですぐに読み切れます。

ハツカネズミと人間

英題 OF MICE AND MEN
作者 JOHN STEINBECK
スタインベック
大浦暁生
出版 新潮文庫
初版 1937年

あらすじ

農場を渡り歩いて生活をする、ジョージとレニーには夢がありました。

小さな一軒の家と農場をもち、土地の恵みを享受し、家畜とともに暮らすといういかにも牧歌的な夢です。

ジョージは特別身体が強いわけではないが、賢くて頭の回転がはやい。
対照的にレニーは知恵がなく頭はからっきしだが、身体は大きくその力は誰よりも強い。ただあまりにも知恵がないために、彼は自分の力をコントロールすることができない。

レニーはたびたび失敗を起こしては、ジョージとともにカリフォルニアの農場を転々としていきます。
そんな彼らがたどり着いた大きな農場で、先の長くない老人、人種差別を受ける黒人、なにかとつっかかってくる器量の小さいボクサーたちに出会います。

農場内で起こるトラブルを中心に、たくましい生命力とあたたかいヒューマニズムを交えて描かれる物語です。

感想

「やるせない」という言葉が一番しっくりくる話でした。
最後にジョージが拳銃を構えるシーンは、読者の気持ちと強くリンクさせる魅力があります。

しかたないけど、こうするしかない。でも本当は初めからこうなることはわかっていたかもしれない。
泣けてくるような悲しいシーンでありながら、まあそうだよなと納得してしまうのです。

ジョージには初めから夢がなかった

本文から引用すると

ひと月働いて五十ドルかせいだら、おれはどこかの女のいるけちな家で夜どおしすごすよ。それか、店じまいの時間まで玉突き屋にいるだろう。そうして帰って来ると、またひと月働いて、もう五十ドルかせぐさ。

この文章からわかるように彼は初めから金を貯めて農場を買うつもりなんてなかったのでしょう。

レニーの頭の悪さにつけこんで、彼の身体の強さを利用しながら稼ぎをはねていたわけです。

あるいは農場を買うという話を何度もレニーに繰り返すうちに、それが夢物語から現実になるように錯覚していたのも本当だったのかもしれません。

どちらにせよそこにレニーの本意は存在しなかったのです。

二人の友情も真実、ジョージの不徳も事実、このアンチノミーが妙に腑に落ちてしまうような感覚がやるせない気持ちを引き起こしているのでしょう。

戯曲の形式をとりいれたこの作品は、映画化もされているようです。

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