考えること

結果を求めるなら質よりスピード、完璧主義思考に陥るわけとは

ずいぶん昔から、どうでもいい細かいことが気になってしまうような性格でした。
ものごとは0~100まで順を追って進めていかないと気持ちが悪く、タスク処理は型にはまったルーティン作業でないといけない気がして。

最近そんな完璧主義的な習慣がいかに非効率で、スマートでないのかということに気が付き始めたのです。
自戒の意味も含めてまとめておこうと思います。

完璧主義にみられる3つの欠点

完璧主義が絶対に悪いということはありません。当然良い面もあり、それは完成度の高さに応じて他者の評価も上がりますし、自己の追求度や満足感も高まります。

例えば羽生結弦のようなアスリートは、自分のフォームや演技の完成度を高めるための飽くなき努力が要求されます。世界一の覇者となってもいまだに4回転アクセル、5回転ジャンプという次のステージを目指す姿は素晴らしいですよね。

ただしこれが一般の我々にまで当てはまるわけではないです。一般的な仕事や生活ではどちらかというと、臨機応変に優先順位を決めた柔軟なマインドが要求されます。
一点集中で究極を求めるのはやはり職人の世界でしょう。

完璧主義者に見られる3つの弱点

①高い理想主義

理想主義がすぎると、過程と結果に高い完成基準を設けてしまいます。
ハードルが高く妥協も許されない理想主義は多大な時間を要求します。

とくに結果だけでなく、過程にまで理想を求めすぎると目指すところを取り違えてしまいます。

②評価への恐怖

他人に認められたいという思いが、質の高い結果に依存する要因になります。
また嫌われたくないという恐れから、小さなミスばかりに気を取られることにもつながります。

八方美人になろうとせず、適正な落としどころを見つけるのがいいですね。

③極端なモノクロ思考

黒か白か、0点か100点かと極端にしか考えられなくなります。

物事には必ずグレーな場所や、80点という惜しいところがあります。完璧を求めるが故に、ミスした20点を過度に攻めて自分を0点評価してしまうのはもったいないでしょう。

完璧主義の特徴

完璧主義は頑張ること自体に美徳を感じるタイプの人に現れます。頑張った分だけ正比例した結果が出せればいいのですが、頑張りの自己満足で終わってはいけません。

努力主義の頑張った自己満足

ビジネスマンの作業効率の悪さによる残業、学生の講義ノートを綺麗にまとめるだけ見返さないというのはよくあるのではないでしょうか。
自分自身にも思い当たることがいくつもありました。

丁寧さを追求するあまりに、過程を煮詰めることが目的になってしまっては本末転倒ですよね。
非効率にがむしゃらに頑張って「俺やってるぜ」感を演出するのではなく、アイデアと工夫を凝らして少ない労力で結果を出すのが大事です。

完璧主義を脱して得られるメリット

完璧主義の最も致命的なデメリットがスピードです。高い質を追求して、細部にこだわりすぎるあまりに時間がかかりすぎるのです。

仕事は丁寧だが遅いと言われては、結果的に評価が相殺されて元も子もないですよね。
逆に仕事が多少雑だがスピードが速いとどうなのか。こちらもどんなに仕事が速かろうがミスがあれば、評価は五分五分になってしまうと思うかもしれません。

しかし完璧主義を捨ててスピードを重視するのには大きなメリットが2つあります。

仕事が速いほどリカバリーがきく

いくらミスがあっても、結果を出すのが速ければ速いほど巻き返しがききます

またいきなり完璧を目指すのはやはり難しいものです。まずはたたき台をつくるプロトタイプ思考でやっていき、事前に成果物の方向性をすり合わせていきながら作業をするというのも一つの手です。

成果物を一度提出してしまえば、他人の評価を含めたうえで見直すこともできます。

期待値が変わる

スピードが遅く、締め切りがぎりぎりになるほど相手の期待値は高まります。これだけ時間をかけているのだから、さぞ素晴らしいものが出来上がるのだろうと。

逆にスピード重視は、まず仕事が速いことにプラスの評価をもらえます。このプラス評価がワンクッションあるだけで、たとえミスがあっても容認されやすくなります。

たとえばお礼状を送る機会があったとします。2週間後にどんなに丁寧な文面で送っても、相手の気持ちは薄れているかもしれません。それよりは簡素でもいいので翌日にお礼状を送るとタイムリーな心情のまま喜んでもらえるといったようなことです。

完璧主義を捨てるポイント

完璧主義は性格や性分というよりも、習慣です。思考習慣なので、変えるのは難しいことではないです。

とはいえ初めはなんとなくきまりの悪さや、気持ち悪さのようなものを感じるかもしれないのでいくつかのポイントをあげます。

計画的なぎりぎりプラン

仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

「パーキンソンの法則」というらしいですが、人は与えられた時間を無意識に最大限使い切るようにするみたいです。

裏を返せば、時間の範囲を限定すればその中でうまく工夫してこなせるということです。本来の締め切り期限よりも早い計画を作り、あえて自分を追い込むのがポイントですね。

局所的に頑張る

パーキンソンの法則の話に少し近いですが、人が与えられた時間を最大限使おうとするということは、必然的に力を抜いて無駄を出していることがわかります。
時間があるからといってそれに甘えると、だらだらと頑張った気になって達成感を得ようとしてしまうのです。

自分の中で、これから2時間は頑張ろうと局所的に制限を設けて頑張ると、単位時間当たりの密度が上がり結果的にパフォーマンスのいい仕事ができます。

シングルタスクに切り替える

完璧主義の傾向に、現在の仕事以外に並行しているタスクや将来的なことなどにあれこれと考えを巡らせることがあります。

心配性でミスを極力減らしたい完璧主義者は、そういった意味で注意散漫になりやすいです。余計な心配など頭の中のノイズを減らして、一点集中して目の前の仕事にとりかかるのがいいでしょう。

全体を俯瞰して優先順位を立てる

仕事をしていて常に一つ一つ順番にタスクが舞い込んでくることはまずないでしょう。

僕自身もフリーターとはいえ、2つの仕事を掛け持ちをしている身で劇団にも所属し、このようにブログも更新しています。
どうしてもマルチタスクで物事を進める必要に迫られることもありますが、そのときに重要なのは優先順位を立てることです。

目先のことばかり気を取られていても、足元をすくわれるかもしれません。
つまり優先度の低い小さなことに焦点をあてすぎると、大事なものが抜け落ちてしまう恐れがあるので、全体を俯瞰して物事の重要度を振り分けることが重要です。

全てのリスクに備えるのではなく、大きなリスクだけを見極めて重点的に抑えるのも大事です。

妥協する=悪ではない

完璧主義者にとって一番の難所が、妥協することを許せないことでしょう。

大切なのは自分の満足感ではなく、最良の結果を残すことです。
プロセス思考ではなく、目的志向であるようにしましょう。

どうしても妥協を迫られる状況になったときに、限られた時間と資材を活用できるかどうかが肝です。そのために戦略的な妥協や、ハードルを下げたりと柔軟に対応できれば完璧主義的な思考を抜け出せます。

完璧主義をやめると…

完璧主義の大きなデメリットにスピードの遅さを書きましたが、たとえば完璧に仕事をこなせてかつ作業も速かったら。これなら誰も文句を言う人がいないでしょう。

ある意味ではそれが理想の形態です。

しかし必要以上な細部へのこだわり、完成度の追求が必要かどうかという話をした場合。あまりにこだわりが強すぎると、自分の神経をどんどんすり減らしていきます。
受け手側にも「別にここまでは求めてないけどな」なんて思われたら、オーバークオリティとなってその達成感も努力も無駄になってしまいます。

さらに完璧主義が過ぎると、自分の理想とする完璧な像にたどり着けなかったときに自己嫌悪に陥りやすくなります。
そんなことよりも「まあこんなもんかな」と、ある程度の着地点を見定めて自分を許してあげるのがいいのではないでしょうか

たとえば旅行を計画したとします。実際にいざ旅行に行って自分のプラン通りに物事が進まないときにどう感じるでしょうか。
せっかく計画を立てたのだからその通りに行動しないといけないと思ったら、せっかくの旅行は義務的な学生の修学旅行のようなものになってしまいます。

「まあこんなもんか」と割り切って完璧主義から解放されると、いっきに身が軽くなりますよ。